「スマイルよりもシステムが大事」執筆者 濱田 昇 |
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品質マネジメントの8原則にあった“プロセス・アプローチ”、“マネジメントへのシステム・アプローチ”って覚えてます? “プロセス・アプローチ”というのは各部門毎にどんな管理で仕事を進めていくのかという縦の流れでフローを考えるのではなく、一つの仕事を入り口から出口までどのようにフローを組むと最も最適な流れ(全体最適化)になるかを考えると言うもの。 一方、マネジメントへのシステム・アプローチは、システムというのは、色んなプロセスが交錯しあって成り立っているのであるから、一つの部分だけをみてシステムを組むのではなく全体を掴んでシステムの流れを作りましょう、というもの。 一般的に、これら“プロセス・アプローチ”、“マネジメントへのシステム・アプローチ”という言葉は、ISO9001の中でも、理解しづらいものの代名詞。その言葉の難しさから、「システムって何だ?」と、頭の中がこんがらがっちゃうという方も多いことでしょう。でも、大事なのは、「ISO」の用語を理解することではなく、会社が確実な仕事をして、利益を増やすように、仕組み発想で業務を組立てましょう、とお考えいただくことなんです。 ISOとは少し離れますが、この「システム発想」が会社に取って利益を生む |
ことを学ぶのに、面白い本があります。 本のタイトルは、『一回のお客を一生のお客に変える法』(カール・スウェル/ポール・B・ブラウン著、久保島英二訳)。 最初はタイトルからマーケティングやセールスについてのテクニック本かなと思っていたんですが、違いました。単なるお客に買ってもらうテクニックを述べた本ではなく、一回買ってくれたお客を固定客・信者客にするための会社のシステム作りについて述べた本だったのです。 この本の著者カールさんは、「顧客サービスと言うと、言葉使いとか接客態度ということを思い浮かべる人が多いが、これらは顧客サービスの中のほんの小さなことでしかなく、重要なのは一回でキチンとした仕事を仕上げるためのシステムである。顧客サービスにおいてはスマイル(礼儀正しさ)は20%、そして良い仕事をするためのシステムが80%なんだ」と言います。うーん、この言葉、深いですね。 この著者のカールさん、一体どんな人かと言うと彼は、経営コンサルタントではなく、キャデラック、ヒュンダイ、レクサス(トヨタのアメリカ高級車シリーズ)、シボレーを扱うカーディーラーさん、実業家なんですね。カーディーラーといえば、車の販売業とですが、彼のすごいところは販売サービスについて研究するだけでなく、デミング博士、エリ |
ヤフ・ゴールドラット(ベストセラーになったダイヤモンド社発行の「ザ・ゴール」の著著者)、トヨタ看板方式を構築した大野耐一氏、タグチ・メソッドの田口玄一氏等の製造業における品質管理、工程システムの大家達からもサービスを作りこむシステムを熱心に学んでいるのです。 今では普通に食べているフレンチポテトですが、マクドナルド社が常に均一のフレンチポテトを店にだそうと研究を始めたときには、アメリカにはジャガイモの品質基準と言うものは無く、さらにフライに適した油の温度はどれくらいか、調理時にはどれくらいの時間一定の温度を保てばいいのか、ジャガイモを腐らせないためにはどうやって保存すればよいのか、ノウハウが全く分かってなかったらしいのです。 そこで、マクドナルド社は、「いつも同じ美味しさ」のポテトフライを提供するために、ジャガイモの栽培法、調理法、保存法についての研究だけでなく、当時米国になかった“ジャガイモの品質基準”を作るため米国農務省に協力して、均一品質のジャガイモ作りに、どんな種類の土壌が適しているかまで研究したり、また、常に均一に調理できるようにフライ用器具までをも開発したということなんです。 |
(実は、あのフレンチポテト開発には、ここまでの苦労があったとは!) そして、その甲斐あって今では世界中のマク ドナルドで、いつも同じ美味しさのポテトフライをアルバイトでも作れる位に標準化して しまっている訳です。今まで私は、マクドナルドと言えば、スマイル0円の表面だけの顧客サービスしか見えてなかったんですが、その裏ではライバルを圧倒的に引き離すために、ここまで深くシステム発想をしていたんですね。 ちなみにカールさんは、これらの他社・異業種の成功例を貪欲に吸収し、検証し、使えるものは次々と実践した結果、当初年商1000万ドルだった会社を20年後には何と25倍の年商2億5000万ドルまで伸ばしたのです。(まさに異業種にヒントありです。) 彼のシステム発想の根幹にある戦略は、一回自社で購入した新規客を以後、車を買い替える度に自社で買う固定客にし一人当たりの客から33万2000ドルを使ってもらうということ。 ISO9001は、いわば、こうした戦略や社長の考えをシステムとして形にする「骨組み」(フレームワーク)でしかありません。 言葉の理解よりも大事なのは、もうした根っ子の考え方ではないでしょうか? ご興味があれば、是非この本読んでみて下さい。ISO9001に取り組むのに、より目的が明確になるかもしれません。 |